心不全・脳梗塞・脳出血・その他
心不全とは?
心臓は筋肉の壁でできた袋です。
部屋は4つありますが、それぞれの部屋が受け取った血液を次の部屋や肺、身体等へ送り出す役割を持っています。この血液の受け取りや送り出しが十分に機能しない状態です。息切れ、動悸、むくみなどの症状がでることがあります。
これまで心不全の主な原因は、心筋梗塞、心筋症、弁膜症、不整脈などとされていましたが、超高齢化社会を迎え特に心臓の病気を患わなくても徐々に心臓の機能が低下するために陥る心不全が注目されています。
その疾患により病状が異なるため、治療には正確な診断が求められます。 問診、身体所見、胸部レントゲン、心電図(安静時、運動負荷試験、24時間心電図)、心臓超音波、動脈血酸素飽和度、血液検査等による診断を当院で 施行しています。
その上で、運動制限や薬物療法などを必要な方のみに行っています。
外来で治療の難しい重症の方や特殊な検査が必要な方は専門病院へ紹介しています。
脳梗塞・脳出血とは?
脳は大量の酸素や糖分を消費しています。
その脳に行く血管に異常が生じて脳に酸素や糖分が供給されないと、脳細胞が死んでしまいます。脳の血管が詰まって脳細胞が死ぬのが脳梗塞です。
また、血管が破れて脳内に出血が起こり、その部分の脳細胞が死ぬのが脳出血です。どちらも命を落とすことがある病気です。命は落とさなくても、麻痺、知覚の異常などの様々な後遺症を残すことも多いです。
回復後もリハビリを行ったり、再発予防の治療を気長に続ける必要があります。
脳梗塞の原因
動脈硬化、心房細動などの不整脈があげられます。
予防や治療は、動脈硬化の進展をくい止めたり、原因となる不整脈を起こりにくくする、血液をさらさらにするなどが行われます。脳梗塞の場合は前兆がでることがあります。
一時的に血液の流れが落ちたり、血管に血の固まりが詰まってもすぐに溶けた場合では、症状が出現してもすぐに消えていきます。このような場合は引き続いて第二第三の発作に襲われることがありますので、自覚症状が短時間で消えたからといって安心せず医療機関で診察を受けることが大切です。全く症状のない隠れ脳梗塞に対する診断や対策も重要です。
脳出血の原因
脳出血は脳の血管の動脈瘤が破裂することが原因であることが多いです。
破裂した場合場所や状態に応じて開頭手術を行う場合があります。
また、手術をしないで保存的に治療が行われる場合もあります。ともに発症後は十分に血圧を下げる治療の継続が必要になります。
その他循環器内科疾患
心筋症
肥大型心筋症:心臓の壁の筋肉が厚くなる病気です。
厚くなった筋肉の収縮を落とす等の特別な治療が必要になる場合がありますが、しかし多くの場合は心臓のポンプの働きが損なわれることは稀ですが、不整脈に注意が必要となる場合があります。
拡張型心筋症:心臓の筋肉の動きが悪くなる病気です。放置すると予後が悪いことが多く、精密検査を行った後にきめ細やかな治療が必要になります。
弁膜症
心臓内で血液が効率よく移動するように4つの弁が働いています。その弁の病気です。
心臓内での血液の移動が上手くいかなくなります。
ほとんどの場合で治療は不要ですが、経過観察、生活制限や薬物療法が必要になる場合があります。
薬物療法でも十分な治療が達成できない際には手術(風船で弁を膨らます、弁を形成する、人工弁と交換する等)も検討します。
先天性心疾患
生まれつきの心臓の病気です。
自然に治る方もおられれば、手術することも難しい方など病状は様々です。
動脈瘤
身体に血液を送る血管(動脈)がこぶのように腫れる病気です。
破裂すると救命が難しいため、血圧を十分に下げた上で定期的な経過観察が必要です。
大きさや形から破裂の危険性が高い場合は、手術が必要になります。
肺塞栓症
下肢の静脈(身体で使用した血液を心臓に戻す血管)内に血の固まりができて、その血の固まりが流れて肺の血管に詰まった病気です。急な呼吸困難や胸痛等を起こします。
一時エコノミークラス症候群と言われていました。災害時の長時間にわたる車内泊をした方で多発しました。
深部静脈血栓症
下肢の大きな静脈に血の固まりができる病気です。
足のむくみを起こし、上述の肺塞栓の原因となることもあるため、多くの場合治療が必要になります。