内科・循環器科

動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・不整脈

動脈硬化とは?

動脈は心臓から拍出された血液を体に送る大切な血管です。

生まれた時はしなやかですが、加齢に伴って硬化したり狭くなってきます。

そのため、血液が流れにくくなったり、時には詰まってしまうことがあります。脳に行く血管が詰まれば脳梗塞、心臓に行く血管が詰まれば、心筋梗塞など致命的な病気を起こす原因となります。

また大きな血管がこぶのようにふくれる(動脈瘤)の原因にもなります。 そのため予防や治療に際しては食事療法、運動療法、禁煙などがとても大切になります。これらの生活習慣の改善は身体の状態そのものを変えてくれます。

動脈硬化とは

当院での評価方法

  • ■CAVI(詳細:検査・健診)
  • ■頸動脈超音波(動脈硬化が強くなると頸動脈の膜が厚くなり、その厚みで評価します。)
  • ■腹部超音波

などを使用しています。

加齢に伴う変化以外の要素

高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙、遺伝などが動脈硬化の進展に強く影響します。加齢や遺伝は変えられませんが、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙などの合併症は薬物療法、生活習慣の改善などで予防することができます。

その際、それらの因子は互いに関係しあっているため、個々で扱わずに全体として評価・治療するようにしています。個々の患者さんに応じた方法を示せるように心がけています。

狭心症・心筋梗塞とは?

心臓は筋肉の壁でできた袋です。その壁が動くことにより、袋の中に入った血液を身体の各所に送り出しています。心臓の筋肉が動く際には栄養が必要ですが、その栄養は心臓の袋に貯められている血液からは供給されません。

心臓の外側を走りながら内側に向かって枝を出す細い血管が栄養を運んでいます。その血管が動脈硬化や一時的な痙攣を起こすなどのために細くなる場合があります。

そのため、心臓への栄養の供給が一時的に不足したために自覚症状が起こるのが狭心症です。

また血管内で血が固まって詰まってしまい、長時間栄養不足が起こり心臓の筋肉の一部が死んでしまうのが心筋梗塞です。

しかし栄養不足が起こっても、自覚症状がでない場合もあります。

狭心症・心筋梗塞とは

自覚症状がない場合

問診からは診断できませんが、診療においては問診が非常に重要となります。

検査は心電図(安静時、運動負荷試験、24時間記録、携帯型自己記録)、胸部レントゲン、心臓超音波などを当院で施行しています。

更なる精密検査が必要な方は冠動脈CT検査、放射線同位元素検査、カテーテル検査などを、できる限り担当医を指定の上で専門病院へ紹介しています。カテーテルによる風船療法、バイパス手術などを受けられた方を含め、検査終了後の方は、当院で内服加療、経過観察などを行っています。

不整脈とは?

心臓が動く際には、心臓内の決まった場所から電気の命令が出てきます。

その命令が一定のルートを流れて広がっていき、その広まっていく電気の命令に従って心臓の筋肉が秩序だった収縮をします。

筋肉の秩序だった収縮により、血液が効率よく身体の各所に送り出されていきます。

このような本来の電気命令系統や伝達系統に従って心臓が動くのではなく、本来電気命令を出さない部分から電気命令がでたり、命令が上手くでなかったり伝達されなかったり、通常伝達系統以外の電気の流れをするのが不整脈です。

不整脈とは

多くの方が無自覚のうちに起こっています。

多くの方が無自覚のうちに起こっていますが、動悸などの自覚症状を感じる方もおられます。

また心臓内で血液がスムーズに流れなくなり、血の塊ができて脳梗塞の原因となることもあります。

その他にも心機能の低下、失神、突然死等の心事故につながることもあります。

不整脈は薬物療法では完治しません。

抗不整脈薬の使用により不整脈の出現を一時的に抑えることができますが、長期間の連用によりかえって不整脈は増えてしまいます。

不整脈の治療で使う薬は副作用の強いものも多いので、必要な方のみに使用します。

使用する場合も、効き方、量、服用する時間などを患者さんの個々の状態に応じて、相談しながら行います。

また、特殊な治療(ペースメーカ挿入、心臓の良くない電気の流れの部分を治すアブレーション治療等)が必要な方は、循環器専門医の中でも特に不整脈を専門としている医師に紹介しています。